一括条例の場合の、条例番号について
【ご質問】
二つ以上の条例を一つの本則で改正、公布する場合の条例番号について質問いたします。
二つ以上の条例を同時に改正して、一つの本則で公布するわけですが、この時、条例番号はどのように付けるのが適切なのでしょうか?
- それぞれの改正条例に改正条例番号が与えられる。
- 「○○条例等の一部を改正する条例」として一つの条例番号が与えられる。 (この際、同じ条例番号の例規が複数できるのですが、問題は無いのでしょうか?)
【弊社見解】
ご質問のようないわゆる一括条例の場合には、改正条例は一つですので、同じ条例番号の改正例規が複数あるという状態は、発生しません。
この場合、例規集での表記上は、改正された条例それぞれに、一括条例の条例番号とともにその附則(改正附則)を付記するのが一般的ですが、一括条例自体は一つであり、条例番号はその改正条例に対し付与されています。
なお、既存の例規の末尾に改正附則を付記したり、題名の下の改正沿革に改正条例の条例番号を記載したりするのは、法制執務上の決まりではなく、例規集における表記の便宜のために過ぎません。
例をあげますと、平成12年法律第70号行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律の本則では、行政機関の職員の定員に関する法律、国立学校設置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律が一部改正されておりますが、平成12年法律第70号という法令番号は行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律にのみ付記されております。
◎行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律
(行政機関の職員の定員に関する法律の一部改正)第一条 行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。(略)(国立学校設置法の一部改正)第二条 国立学校設置法(昭和二十四年法律第百五十号)の一部を次のように改正する。(略)(沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)第三条 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。(略)附 則(施行期日)1 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。(国立学校特別会計法の一部改正)2 国立学校特別会計法(昭和三十九年法律第五十五号)の一部を次のように改正する。 附則第九項中「附則第五項」を「附則第三項」に改める。
この被改正法律の附則をみますと、
◎行政機関の職員の定員に関する法律
附則(平成11年12月22日法律第160号)抄
(施行期日)第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。附則(平成12年5月19日法律第70号) 抄(施行期日)1 この法律は、平成13年1月6日から施行する。附則(平成13年4月18日法律第32号)抄
◎国立大学設置法
改正平成12・3・31・法律 10号--
改正平成12・3・31・法律 10号--
改正平成12・5・19・法律 70号--
改正平成13・6・29・法律 76号--
※既に廃止されているので、附則が追えませんが、履歴で法令番号が把握できます。
◎沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。附 則 (平成一二年五月一九日法律第七〇号) 抄
(施行期日)1 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。附 則 (平成一二年一二月六日法律第一四一号) 抄
このように共通の附則が付記され、同一の法律で以って改正されていることがわかります。